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【理事長】2025年を振り返って・・・

今年もまた、あっという間に1年経ってしまったなという感覚、、、これ、どう考えてみても、毎年加速度がついている!としか思えないのですが、みなさんはいかがお感じでしょうか?

今年はどんな年だったのだろう?と、いつもの様に振り返るにあたり、昨年末に書いたブログを読み返してみたのですが、、、ダメだ。全然明るい兆しがみえなかったじゃないですか!昨年末のブログでは、介護や福祉の職種の賃上げが進んでおらず、民間給与平均と大きな格差があること、それによって必要な人材が集まらず大きな労働力不足を生んでしまっている福祉現場の実態について書かせていただきました。しかし、いくら振り返ってみても、前進したというニュースは全く入ってこないどころか、福祉は基本的に社会保障費という国の支出によって成り立っていますから、福祉を取り巻く厳しい環境は日々増すばかりの様に感じます。「いったいどうなっているんだ!?」と、メディアに露出の多い国会議員の面々を見るにつけ、TV画面に向かって文句のひとつでも言いたくなってしまうわけです。

そんな中、先日、大先輩であるS氏が代表を務める季刊誌の記事が目にとまりました。S氏は、今年の11月3日に茨城県立県民文化センター(ザ・ヒロサワ・シティ会館)小ホールで開催された、戦争をさせない茨城県1000人委員会主催の「前川喜平さん講演会」を聴講され、そのことについてお感じになったことを季刊誌冒頭に書かれていたのですが、偶然にも私も同じく講演会に参加していた(実は会場でS氏にお会いした)ので大変興味深く拝読致しました。ご存じの様に、前川さんは、文部科学事務次官を務めた方ですが、講演タイトルは「日本国憲法と教育」。この日は「文化の日」の祝日でありましたが、文化の日とは、日本国憲法の公布を記念して制定された祝日だったのですね。さりげないタイトルながら、前川さんならではの知識と見識が詰まったとても共感できる講演内容でした。S氏は講演の感想として、前川さんが講演の最後に言った言葉について触れていたのですが、それは偶然にも私も同じように深く印象に残った部分だったのです。前川さんは、’「戦争で儲けよう」という人たちに対しては、真っ向から反論し説得するのではなく、その人自身の考えに疑問を持ってもらう脱カルト的な関係の取り方が有効だろう。’とおっしゃった。察知の良い皆さんはもうお気づきでしょうが、いつも真っ向から反論する傾向が強い私は、ハッとさせられたわけです。ちなみに妻も一緒に参加していたんですが、側でそんな私を横目でニヤリ(笑。

さて、何故人は反対されると真っ向から反論したくなるのでしょう?S氏の言葉をそのままお借りすれば、自分の先入観や信念を支持する情報ばかりを集め、反対する情報を無視または軽視してしまう認知の偏りを「確証バイアス」と言うそうで、このバイアスは、人間の脳が効率的に情報処理を行おうとする自然な働きで、反対されるとその反対意見を受け入れない理由を無意識のうちに探すのだそうです。自分の意見に固執して意地を張っているわけではないので厄介なのですが、前川さんはその対応として「その人自身の考えに疑問を持ってもらう様に問いかけること」とお話しされました。S氏によれば「感情を共有すること」とも言うことができるとも。また反論したい気持ちを抑えて、なんらかの共有部分を探すのは、相当意識しないと難しいこと、ましてや感情となると容易ではない。既に「反戦・反差別」という怒りもしくはそれに近い感情を持っているのだから。とお書きになっています。さらに、感情に限らず、他者と何かを共有することが難しくなっていると感じています。よく言われる「今だけ、金だけ、自分だけ」の傾向が強くなっているからでしょうか。と分析されてました。

なるほど、、、どうですか?「今だけ、金だけ、自分だけ」。連日TVに映る「大先生」の方々の言動とピタリ一致しませんか?あ、!いかんいかん。また自分の「確証バイアス」が働いてしまいました。ですが、この「確証バイアス」こそ、国の舵取りを担う方々にこそ持っていただきたい意識だと思うのです。ということで、来年こそ!は少しでもマシな年になることを切に願う、2025年の年の瀬なのでした。

 

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