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【理事長】不安とディストレスについて考えてみる

令和7年度のこころの健康講座が、2月21日(土)に開催され246名(関係者含む)もの方々にお集まりいただき、大盛況のうちに終了致しました。実行委員長として、あらためて御礼申し上げます。

当日のプログラムの第1部は、日本ハピラボ協会代表理事で心理カウンセラーの伊藤やすお先生による『いま、ここに生きる力』と題した講演会でしたが、伊藤先生はお話のなかで、「ひとことでストレスと言っても、ストレスには2つある。ユーストレス(Eustress:快ストレス)とディストレス(Distress:不快ストレス)である」と説明されました。問題となるのは、言うまでもなくディストレスの方なのですが、講演では、ディストレスが生み出される背景とその対処法についてお話いただきました。ここで全てをお話したいところではあるのですが、紙面が足りませんのでご興味がある方は、是非来年度へのご参加を!と少しばかり宣伝してしまいますが、この場で私がスポットを当てたいのは、「ディストレスが生み出される背景」についてです。

背景とは要因または原因と言い換えても良いと思いますが、先生は石器時代の最大の脅威である<マンモス>をディストレス要因の象徴としたうえで、「現代には社会の様々な場面にマンモスがいるでしょう?ほら、職場には<上司マンモス>、家には<妻マンモス>(ここでは「夫マンモス」も付け加えておきますね)がね!」と話され、会場は大ウケでした。さらに、先生は「それらがなぜマンモスなのか?と言えば、自分にとって【不安】な存在だからなんです。この【不安】が【安心】に変わらないと、こころは休まることができずにディストレスは蓄積され、やがてこころの健康を害してしまうのです。」と説明されていました(少なくとも、私はこう解釈しました)。

さて、最近、連日の様に全国のあちらこちらで理解に苦しむ事件が発生しています。ここ水戸市でも駅前ロータリーで自転車に乗った人物に、複数人が殴打されて重軽症者を出す事件が発生したり、福岡市では図書館で男女3人が刃物を持った男に襲われ、男は殺人未遂容疑で逮捕されています。どちらの事件も、被害者と容疑者の間に面識は無く、無差別に人を襲う犯行でした。また、いずれの容疑者も素直に容疑を認め、動機などはまだはっきりしないものの、私たちと同じ一般市民の様です。一体、彼らにとってなにが”マンモス”だったのでしょう。どんな不安や不満を抱えていたのでしょう?

さらに世界では、2月28日にアメリカがイスラエルと連携し、イランを攻撃するという衝撃的なニュースが飛び込んで来ました。これによりイランの最高指導者であるハメネイ氏が殺害されました。アメリカは今年の年明け2日から3日にもベネズエラを攻撃し、マドゥロ大統領を拘束しアメリカに移送するという軍事行動を起こしています。イランもベネズエラも最高権力者に対する見方には批判も多い様ですが、圧倒的軍事力で他国を制圧するという行為は法律(国際法)を無視した戦争そのものであり、強国が力でねじ伏せる社会というのは、世界中の一般国民にとって安心どころか、不安そのものなのではないでしょうか。

日本はどうでしょう。初の女性首相の国会初日の施政方針演説を聞く限り、平和国家から軍事国家への一大転換を目指すと宣言した様に私は感じました。一体、トランプ大統領や高市首相の不安とは何なのでしょう。平和国家から軍事国家への転換によって、本当に国民の安心につながるのでしょうか?とりわけ今回の講座の第2部『もうひとつの、生きる力』で自らを赤裸々に語ってくれたような当事者の方々にとっては、生活不安は増すばかりの様に思えます。弱肉強食の動物の世界観から、発達した知能を活かし『ともに、生きる力』を創り上げてきたのがこれまでの人類社会の歴史だったはずなのに、今、社会の思想が根底から変わってしまおうとしているのですから。これこそが私自身の大きな不安であり、こころの奥に広がるディストレスに感じます。私自身がそうであるように、もやもやと社会に漂う暗い霧のようなはっきりしない不安・・・それが、もしかすると相次ぐ不可解な無差別傷害事件にまでつながってしまっているのではないか?不安が不安を生む現代社会の表れなのではないか?と言ったら、それは言い過ぎでしょうか。こころの健康講座を終えた今、そんなことを感じざるを得ないのです。

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